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2005年 02月 10日
それではかる〜く『コーチ・カーター』のストーリーを説明しましょう。 前シーズン4勝20敗だか30敗だか、とにかくめちゃくちゃ弱い、そして負けクセのついている高校バスケット部に、カーター氏がコーチとして就任するのです。でまあ、『スクール・ウォーズ(古い?)』よろしく、生徒たちが彼をだんだん信用していき、チームがまとまり、そして生徒たちが「人」としても成長していくという話。 え? それで? だたのよくある話じゃない、と思いのあなた。 いや、違うんです。違います! そこには、高校生カップルの妊娠が絡み、抜け出したくとも抜け出せない、ドラッグを売らざるを得ない生徒の話が絡み(これがものすごいストーリーに作用をきたすかと思ったら……そうでもなかった)、そして「ブラック・コミュニティーで成功すること」とはいったいどういうことなのか、「ブラック・コミュニティーを出ていくにはどうしたらいいのか」などなど…… そう、「人生のサバイブ(生き方)」の仕方を教えていくのです。 やっぱりどこかで聞いた、使い回された、二流な感じ?? うーん、そうかもしれないですが……あたし的には、かなり「ひりひり感」あり、な映画でした。 基本的に彼らが育っているのは「ゲトー」と呼ばれている、貧しい地域です。 多くの子どもたちは、漠然と将来を考えてはいるけれど、これくらいの選択権しかない(というか、周りにちゃんとした大人がいないので考えられないというのが本当のところ)。 1)ラッパーになる(音楽で生活する) 2)バスケットの選手になる(NBA選手なんてほんっとうに簡単にゃなれません。カレッジで活躍してもダメな場合が多いんだから)。 3)ドラック・ディーラー(ま、これが一番てっとり早いし、確率的にも高い。でもコミュニティーからはでられまへんがな(涙)) 4)軍へ入る。 それ以外はどんな方法があるのだろう? そこでコーチは叫ぶのだ。 「自分の父親を見ろ!」と(ここで生まれた時から刑務所に入っていると発言した生徒がいた)。 彼らと同じ状況(ディーラーとか、無職同然。その日暮らしなどなど)になりたくなかったら、勉強して、大学へ行け、と説くのです。 だって誰だって汚い場所よりも、危ない場所よりも、きれいで安全な場所に住みたいじゃないですか。誰が好んでそういった場所に住みたいのか。 だから、いくらバスケができても成績が悪いとダメ。 ということで、せっかく軌道に乗って勝利街道まっしぐらのチームだったのに、バスケをさせなかったのですね。成績が上がったら再開させるという、すごい力業を使ったのだった。 ところが、コミュニティーから猛反対。 「この小さな街で楽しみなのは、高校バスケット」 「せっかく勝っているのに試合をさせないなんておかしい」 「バスケをやるのに学校の成績なんて関係ない」 などなどなど。 コーチは子どもたちの将来のことを考えてやっているのに、その選手の親たちから反発を受けている。 あたしはこのシーンを見て、「この人たちは、先のことを考えてないのだろうか?(考えられないのだろうか)」ということを思い出した。 それはここ、ハーレムの中にいて、ずっと考えていたことだった。
by liberula
| 2005-02-10 13:23
| ハーレムってところ
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