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2005年 02月 09日
先日『Coach Carter(コーチ・カーター)』という映画を見てきました。 サミュエル・L・ジャクソンが、うだつの上がらない高校のバスケ部のコーチになり、黒人の高校生がバスケットで「人生を見出す」というやつです。 「青春、スポコン好きのアキツに、まさにぴったりの映画!」と友だちに言われたくらいで、まさにその通りでした。非常に「わかりやすい」映画で、こうなるだろう、というのがわかっていても泣いていたあたし(笑)。あ〜単純。 MTVがスポンサーでこれからデビューするアーティストたちをたくさんフューチャーしていて、音楽はいい感じ(クール、とでも言っておきましょうか)。歌姫アシャンティも役者としてこれでデビュー。 まだ日本でいつ公開されるか決定していないとか、いるとか。 この映画は実話を元にして作られています。 力技で「似てるっちゃー、似てる、だろ」と、あえて言ってみれば、1997年に日本でも公開された『フープ・ドリームス』に似ています。 でも前者はあくまでも「実話を元に」してい、後者は「NBAを目指していた少年たちのドキュメンタリー」。ちょっと微妙に違いますよね。 ちょっと長くなるけれど、『フープ・ドリームス』のことを話しましょう。 この作品を見たのは、あたしがまだ日本にいたときで、バスケットボールにはほとんど興味がないときでした。かれこれ8年前になるでしょうか。 その当時好きだった人がこの作品が好きだったから、ビデオを借りて見ました(ありがちですね(笑))。 涙は流さなかったけれど、とても感動したし、あたしの心の中に、何かを残しました。なんてたってニューヨークにやってきて、初めて購入したビデオになったくらいですから。 もともとスポーツは好きだったし、当時はマイケル・ジョーダンが2度目の引退をした時期だったので、日本でもNHKBSで生中継で試合が見ることができた時。あっという間にバスケの世界へ、正確にはNBAの世界へと引き込まれていきました。 でもあたしは、わかっていなかったんです。 わかっていたことは「二人の貧しい少年たちが、NBAを目指している。そして選手にはなれなかった」といったことくらいしか。 うーん、人生は厳しいね、やっぱりさ。 そんな感じにしかわからなかったのです。 貧しい黒人たちにとって、バスケがどれだけ生きていく上で重要なのか、まったくわかってなかったのです。 主役である黒人の少年ふたり人は、シカゴのブラック・コミュニティー、それもかなり厳しい地域(ゲトー)で育っていく。 「ああ、やっぱりドラッグディーラーがいるんだ」 「父ちゃん、なんで働かないのかな」 「やっぱり子沢山なのねえ」とか。 どこか本で読んだ内容が、スクリーンの中で広がっている。 映画内容と言えば、「順風まんぷうに行っていたBが、膝をけがして大学の奨学金がダメになってしまった、ああ、可哀相」。 その反面、私立高校を成績の問題でドロップ・アウトしたFは、地元の高校でがんばって地区優勝に貢献して、地力でカレッジの奨学金を得る。 素晴らしいじゃないですかっ。 なんだか「ロッキー」のような、「がんばれば、結果は後からついてくる」といった、青春、スポコンもの。わかりやすくって、とてもいい。 そしてこれはドキュメンタリー! しばしうっとり……。 でも、あたしは今、この作品を見ると胸がいたい。 当時わからなかった「ブラック・コミュニティーの形態」というのが、ものすごいリアル、だからです。 字幕でしかわからなかった「言葉」が、多少は耳でわかるから。 この作品は1994年の話で、たかだか11年前の話。 でも、今でも「きっと何も変わらないんだろう」と思わずにはいられないのです。 さて、『コーチ・カーター』にいきましょう。 この話は1991年の出来事を元に作った映画。 カーター氏御本人のウェブサイトもあります。 場所はリッチモンド。バージニア州←ウソ、すいません。カリフォルニア州の間違いでした。訂正させていただきます。 あたしはこの映画を見て、一人で非常にいろいろと考えてしまった。 いくら物語の元が1991年であっても、公開されたのは2005年なので、どうしても時間軸はそこになる。そしてきっと、あたしが見直した「フープ。・ドリームス」に出てきた「ブラック・コミュニティーの形態」って、場所が変わっても同じなんだということ。 そしてこれは、あたしが今住んでいるハーレムについても同じなんじゃないのかな、と。 そう思わずにはいられなかったのです。 続きます。 *『フープ・ドリームス』の後、彼らはどうなったのか。 スポーツライターの宮地陽子さんが書いていらっしゃいます。 興味のある方はコチラをどうぞ。
by liberula
| 2005-02-09 03:30
| ハーレムってところ
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